Exploring the Universe of 'Satoyama' - Interactive Ecosystem of Nature and Human

京都里山讃歌

KYOTO SATOYAMA SYMPHONY

水源の里 市茅野のシャガ

『そこにある風景』

荒木敏子著・新風舎2005年

 

 

 

 

 

 

早稲谷のシャガ

『そこにある風景』(荒木敏子)新風舎2005


著者は父の仕事の関係で早稲谷で育った。その回想である。

本書では八反滝が、重要な心象風景の扉、すなわち人間世界とその外部、動物や神の世界との境界として、また子どもから大人への通過儀礼すなわち僻地と思っていた早稲谷が自分の人生を形成した揺りかごとして再認識される契機として、登場する。

それにも増して注目されるのは弟が山中に荒れた墓石を発見していることで(42頁)、林業会社の進出以降の墓石であればそれまでだが、木地屋の墓が深い深い山中にある話は随所で知られる。

今の府道から古和木・早稲谷に入るあたり(有安・八代)に往古、吉忠卿という高位の人物が流れつき、その家臣として早稲谷左近という者があって帰農して百姓となり、左近の家には代々、白木の鉢を沢山相続していて木地屋の子孫といっているという趣旨の話が江戸時代の『丹波志何鹿郡部』に出てくる。

ここでの大胆な推測は、42頁で発見された山中の墓は、木地屋の墓ではないかというものである。

『チェンジング・ブルー~気候変動の謎に迫る』
大河内直彦著(岩波現代文庫)

『そこにある風景』
荒木敏子著・新風舎2005年

天文情報の宝庫?『瀧洞歴世誌』
The Chronicle of Taki-ga-uro

『森の巨人たち』
草川啓三『森の巨人たち:巨樹と出会う-近畿とその周辺の山』(ナカニシヤ出版2017)

『日本列島の生い立ちを読む』
『日本列島の生い立ちを読む』

『空白の五マイル』
角幡唯介『空白の五マイル-チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』集英社

『決着!恐竜絶滅論争』
後藤和久著(岩波科学ライブラリー)