Exploring the Universe of 'Satoyama' - Interactive Ecosystem of Nature and Human

京都里山讃歌

KYOTO SATOYAMA SYMPHONY

水源の里 市茅野のシャガ

『空白の五マイル』

角幡唯介『空白の五マイル-チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』集英社

 

 

 

 

 

 

美山の雄滝

角幡唯介『空白の五マイル-チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』

表紙の写真はホクドルンという場所に著者が確認した洞穴、そのなかから川を見たところだ。

ホクドルンの洞穴は著者にとって「特別な場所」となった。

ツアンポー川のなかで、探検されてこなかった空白の五マイルのなかにホクドルンはある。

空白の五マイルへの著者の探究が、かつてツアンポーにカヌーで挑戦した2人の若者の人生と交錯する。

ホクドルンの洞穴では、下降に使ったロープが伸びきり、手を離すと、手の届かない上のほうにまで戻って行ってしまった。

文字通り「絶体絶命」だったのだが、別のルートを見つけて洞穴の上に戻ることができた。

このようによく助かって戻ってきたなという場面がある。最後もそうだ。

村はすぐ近くにあるのに、川を渡る橋がない。泳いで渡ることもできない。

何とか、リューソー(ワイヤーブリッジ)を見つけ、疲れ切った体でワイヤーにぶら下がって川を渡り、生還した。

プロローグの一文が良い。

「旅の準備というものは、どうしていつもぎりぎりまでかかってしまうのだろう」。

未知の世界へと向かう旅への期待と焦燥、危険への恐怖と、その見返りに得られるかもしれない達成の予感。すべてが凝縮されている。最高の書き出しだ。

Randomly Picked Up
『チェンジング・ブルー~気候変動の謎に迫る』
大河内直彦著(岩波現代文庫)

『そこにある風景』
荒木敏子著・新風舎2005年

天文情報の宝庫?『瀧洞歴世誌』
The Chronicle of Taki-ga-uro

『森の巨人たち』
草川啓三『森の巨人たち:巨樹と出会う-近畿とその周辺の山』(ナカニシヤ出版2017)

『日本列島の生い立ちを読む』
『日本列島の生い立ちを読む』

『空白の五マイル』
角幡唯介『空白の五マイル-チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』集英社

『決着!恐竜絶滅論争』
後藤和久著(岩波科学ライブラリー)