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京都里山讃歌

KYOTO SATOYAMA SYMPHONY

水源の里 市茅野のシャガ

『日本列島の生い立ちを読む』

『日本列島の生い立ちを読む』

 

 

 

 

 

 

断層による破砕(綾部和知境界・稲葉坂付近)

斎藤靖二『日本列島の生い立ちを読む』(岩波書店)

「チャートが遠洋性堆積物であり、さらに陸源の砕屑岩中にブロックとして入っていることが証明されたときに、私はこれでやっと日本列島の地質がわかったと思いました」(「はじめに」)。

学会の趨勢が地向斜造山論から、変動帯の付加体地質学に転換するまでには大変な格闘があったことが感じられ、どんな反論のなかをくぐりぬけ克服してきたか、研究史の読み物として受け止めることもできる。

一方で本書執筆時点では「太平洋の方から海洋プレートが押してくるようなところで、日本海が拡大したのはとても不思議なことで、なぜなのかまだよくわかっていません」(139頁)とある。

2017年に放送されたNHKスペシャル「ジオ・ジャパン」では、太平洋プレートの沈み込みを受ける大陸の端の部分で、マントルの上昇流による引っ張り方向の力が働いて亀裂が拡大する方向にはたらく場合があることを示す吉田晶樹氏(海洋研究開発機構、ブルーバックス『地球はどうしてできたのか』著者)のシミュレーションを紹介していた。

『日本列島の生い立ちを読む』は1992年初版で、2007年に新装ワイド版が刊行され新しいあとがきが追加された。

堤之恭氏の『絵でわかる日本列島の誕生』(講談社2014)は、より最近の研究状況を図解で示す。

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『日本列島の生い立ちを読む』
『日本列島の生い立ちを読む』

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