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京都里山讃歌

KYOTO SATOYAMA SYMPHONY

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天文情報の宝庫?『瀧洞歴世誌』

The Chronicle of Taki-ga-uro

 

 

 

 

 

 

2009年7月22日の日食

天文情報の宝庫?『瀧洞歴世誌』

『瀧洞歴世誌』(たきがうろれきせいし)は、舞鶴市滝ヶ宇呂の田村家が代々書き継いだ記録である。

大江町誌史料編に抜粋があるほか、『年表式改編・瀧洞歴世誌』(杉本嘉美氏編)がある。

郷土の歴史とともに、地震・津波・洪水・干魃など災害に関する記録としても注目される。
http://www.tanba-miwa.net/2011tanbamiwa/11-04.pdf#page=2

たとえば、寛保元年(1741)7月19日「大丹生村近所四-五ヶ村津波打つ」(杉本版45頁)など。大浦半島で津波堆積物のトレンチをしてみる意義はないだろうか?

さてここでは杉本版により、天文現象に関する記載をピックアップしてみる。

対応すると思われる現象が、大崎正次編『近世日本天文史料』(原書房1994)にあるものは、その旨も併記する。


■寛永12年(1635)7月26日
「天赤くして炎の如し」(杉本版5頁)
⇒『近世日本天文史料』584頁

■寛永14年(1637)7月8日
「星月をつらぬく」(杉本版6頁)
⇒『近世日本天文史料』267~268頁

■寛文2年(1662)3月6日ヨリ20日
「日天朱の如し」(杉本版9頁)

■宝永4年(1707)9月16日
「月蝕 酉の六刻東の方欠けそめ 亥の四刻に西の方復する」(杉本版22頁)
⇒『近世日本天文史料』155頁

■正徳5年(1715)2月8日
「二ツ日出給ふ」(杉本版23頁)

■正徳5年(1715)6月28日
「三ツの日並び出給ふ」(杉本版23頁)

■享保4年(1719)1月1日
「日蝕也 悪事と云う 果悪きこと多し」(杉本版26頁)
⇒『近世日本天文史料』33頁

■享保4年(1719)9月17日
「八ツ時に天に声あり 其の声春の蛙の如し 青天に少しずつの切雲あり 北の方へ鳴き透る」(杉本版26頁)

■享保5年(1720)7月1日
「日蝕七分 同夜戌の時流星子より辰巳へ飛ぶ 大さ尺余 同二日夜戌の時流星子より申の方へ行き大さ尺余 其後度度あり 北より方方へ行く 是を不思議と云う」(杉本版27頁)
⇒『近世日本天文史料』34頁

■享保6年(1721)10月5日
「申の上刻に日天二躰現はるる」(杉本版28頁)

■享保10年(1725)6月13日
「宵の五ツ刻光る物飛ぶ 形里芋の子の如し 大きさ尺余その光日中の如く子の方より辰方に消へ その後に唯一ツ鳴る その声石火矢の如し」(杉本版32頁)
⇒『近世日本天文史料』376頁

■享保11年(1726)10月18日
「夜月二躰出給ふと云」(杉本版33頁)

■享保16年(1731)4月5日
「日天の中に黒きほしあり 大きさ二十分の一と見る 同6日にも同前」(杉本版36頁)

■寛保2年(1742)5月1日
「月蝕作る天ヶ下闇の如し」(杉本版46頁)

■寛保3年(1743)10月
「十月頃ヨリ西方に十二月末まで不思議の星あらはる 是を稲星と名付 この星常になし如此御光有[引用注:WEBでは図版略]弐拾間斗り東の方へ燃へ上り夜になって光短くよく冴へて御光長し 暮六ツ時よく見ゆ十二月二十七日明け也」(杉本版46頁)
⇒『近世日本天文史料』467~472頁

■延享2年(1745)3月23日
「夜 かくの如くの[引用注:WEBでは図版略]星東南ノ方に出る 其後なし 五兵衛女房見る」(杉本版48頁)

■延享2年(1745)4月23日
「月二ツ出る 本躰ヨリ弐十間斗り南に有って光無し 虹の如くの□あり 朝五ツ時の事也 徳三 長八 清九郎見る 其外に見る人多し」(杉本版48頁)

■延享2年(1745)4月23日
「夜月に不思議あり 小俣村安右衛門其外見る 五ツ時時分のことなり[引用注:WEBでは図版略]北の方に手に取れば正月餅程成る黒きものかゝり角なし」(杉本版48頁)

■同 9月頃
「不思議の星丑寅の方に有り 大魚をうつした如くこれを上元星と云う」(杉本版46頁)


※注 「云う 」などの表記は杉本版ママ

※例えば享保7年(1722)には「今年竹に花咲き 枯るることあり」(下記の杉本版29頁)、享保11年(1726)にも「竹に花咲き枯るること有り」(同32頁)との記載があり、竹の開花と枯死について研究するうえでも何か材料になる可能性はあろう。

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