京は遠ても十八里 ~ 海と都をつなぐ峠を辿り直す

『北山の峠』再訪

'PASSESS IN KITAYAMA' REVISITED

美山・唐戸越のユリ道(仮称)

胡麻峠 Goma touge Pass

Goma-touge Pass


 

 

 

 

 

 

胡麻峠

胡麻峠は中巻で「舞鶴街道の峠」のひとつとして紹介されている。

綾部側の道

大唐内側の渓流

大唐内側の道
(この写真の撮影当時とは異なり近年は倒木により歩きにくくなっている可能性がある)

 

胡麻峠

北側から峠を見る

峠の石仏

 

舞鶴側の道

二俣(与保呂と黒部への分岐)

金久昌業『北山の峠』(中)「胡麻峠」より
「春先など山また山の丹波から峠道を辿って峠に着くと、古い夫婦松が恰好よく峠の形を作り、峠の広場にはシャガの花が一面に咲きこぼれている。その薄紫の花の向うには木の間越しに青い舞鶴の海が的皪と光るのである。」(138頁)

同書は大唐内の村落についてこう書いている。「こんな村は北山では珍しい。私はこんな村を見ると古代人が居を求めた或る理想形を感じる。日本の故郷の原型の一つであろう。このことと関連して私にはこの村から何となく山越えの文化が感じられる。山越えの文化とは、由良川を遡り更に上林川を遡ってきた川筋からの文化ではなく、直接日本海から胡麻峠を越した文化形態である。何故ならこの村の地形や雰囲気に接すると、下流に関係なくここが一つの世界だと思えるからである。それ故私は大唐内を古代集落と思うだけでなく、胡麻峠もまた古代の峠だと思うのである」。