洞峠
美山・唐戸越のユリ道(仮称)
洞峠
『北山の峠』(中)では、「広い尾根には笹が一面に生えて、峠道はその中をゆったりと乗り越している」(132頁)と記されている。
掲載された写真にも笹が写っている。
しかし現在、峠に笹はない。
おそらく鹿が食べたのだろう。
金久昌業『北山の峠』(中)より
「少し下ると路傍の落葉の中に可愛らしい石室を見る。五〇センチ四方くらいの小さなものなので石の厨子と云った方がよいかもしれないが、苔むして古く気づかずに通り過ぎてしまうほど自然に同化している。中には石柱が置かれているが、多分仏様が彫ってあったのだろう。摩滅して形はなくとも仏様だとわかるのである。これはもう仏様でも石柱でもなく、この峠を越えた多くの旅人の祈りの凝集というものかもしれない。」(136頁)【旧版地形図では】
……加筆予定