Photolab
DxO Photolabは、以前はDxo Opticsという名前でした。
RAWファイルに対して歪曲補正、レンズブラーの除去、色温度、露出などのほか、クリアビューやスマートライティング、DeepPRIMEなど色々な処理を施したうえで、JPGやTIFFやDNGとして出力することができます。
PureRawはPhotolabから分岐した存在だと思いますが、逆に言えば、PureRawが光学補正とノイズ除去を行ってDNGを出力するコンディショナーであるのに対して、Photolabはもっと色々なことができるコンディショナーとも言えます。Photolabで最終完成品としてもよいし、Photolabで出力したDNGをAdobeやSkylumなどのソフトウェアで少し最終仕上げを追加してもよいわけです。
Photolabだけですでに色々なフィルムシミュレーションを持っていますが(例えばベルビアのシミュレーションなど)、FilmPackを同時にインストールすることで、さらに多様なフィルムシミュレーションが利用できます。Filmpack6により、Fujifilmのクラシッククローム、クラシックネガ、ProNeg High、エテルナなどをRAWファイルに施すこと(もちろん、シミュレーションだと思いますが)も可能になりました。
個別設定を組み合わせた「プリセット」も色々ありますし(ポートレート、風景、モノクロなど)、自分でプリセットを追加することもできます。
現像だけでなくファイル管理や検索の機能も強化されてきています。ただし、見逃しているかもしれませんが、フォルダへのパスを直接、インプットするアドレスバーの機能を設けてほしいです。フォルダツリーのアイコンを順番にマウスでたどって開いていくことはできるのですが、面倒です。WindowsでいえばエクスプローラにおいてF4キーでフォーカスされるアドレスバーがありますが、アドレスバーにあるようなフルパスをたたけば直ちに目的のフォルダが開けるようになるとよいと思います(もし、すでにある機能を見逃していたらこの点は撤回します)。
DxOの画質向上エンジンDeepPRIMEは高性能である一方で、処理に時間のかかる場合があり、現像作業上のボトルネックとなる可能性があります。
改善のためトライするべきことのひとつはプリファレンスでGPUの使用を意図的にオンにして比較してみること。
もうひとつはWinMLの使用であり、DxOはWeb上のドキュメントで、「コンピュータの隠れ設定を変更する」ことにより「画面のカクツキが発生してもDeepPRIMEの処理を優先する」方法を紹介しています。
https://support.dxo.com/hc/ja/articles/360050525632
具体的にはconfigファイルを書き換えることになり、DxOも「これは画面のカクツキや動作の安定性の低下を招きます。このリスクを承知の上でご利用ください。変更操作に自信がない場合は、おすすめいたしません。」としています。
もし現像作業が途中でロストしたりしても責任は持てませんが、試してみた範囲では、この設定を試すことにより速度が向上したと感じられました。DxOが記すように、「低い性能のGPUに有効」というその「低い性能のGPU」(単独でなくCPUに付属のもの)だからかもしれないですが。
※ここではWindows環境を前提として記述しました。