2021年11月の日記帖
PhotolabのGPU設定を調整する
……自己責任で
DxOの画質向上エンジンDeepPRIMEは高性能である一方で、処理に時間のかかる場合があり、現像作業上のボトルネックとなる可能性があります。
改善のためトライするべきことのひとつはプリファレンスでGPUの使用を意図的にオンにして比較してみること。
もうひとつはWinMLの使用であり、DxOはWeb上のドキュメントで、「コンピュータの隠れ設定を変更する」ことにより「画面のカクツキが発生してもDeepPRIMEの処理を優先する」方法を紹介しています。
https://support.dxo.com/hc/ja/articles/360050525632
具体的にはconfigファイルを書き換えることになり、DxOも「これは画面のカクツキや動作の安定性の低下を招きます。このリスクを承知の上でご利用ください。変更操作に自信がない場合は、おすすめいたしません。」としています。
もし現像作業が途中でロストしたりしても責任は持てませんが、試してみた範囲では、この設定を試すことにより速度が向上したと感じられました。DxOが記すように、「低い性能のGPUに有効」というその「低い性能のGPU」(単独でなくCPUに付属のもの)だからかもしれないですが。
※ここではWindows環境を前提として記述しました。
H& Yの「バランサーGND」を購入しテストした
……緩やかに諧調を調整できる
H& Yの「バランサーGND」を購入しましたので簡単なテストをおこないました。
今までのGNDの使用経験では、空の一部分が黒めになるなど、必要以上に濃淡が出てしまうのが課題と感じていました。したがってこのバランサーGNDには、減光効果を得つつも、遷移が滑らかであることを期待したわけです。
限られた条件での簡単なテストだけですが、傾向はわかるのではないかと思います。
今まで、GNDをかけたことが不自然にわかってしまうような、コントロールの難しい局面が森林のなかなどでは多かったので、緩やかなグラデーションになっているのはありがたいです。
DxOのブラックフライデーで各ソフトウェアが半額
……Photolab単品の通常価格で三点セットの購入が実質可能
DxOのブラックフライデーで2021年11月29日まで、ソフトウェアの価格が通常価格の半額になっています。従って、PhotolabとFilmPackとViewPointの三点あわせた価格でも、Photolab単品の標準価格と実質変わらないです。PureRawを買うのであればこの機会に、PureRawの機能以上のものを持っているPhotolabを導入したほうが得であると思います。(DeepPRIMEが利用できるのはPhotolabのELITE版のみのようですのでその点は注意が必要です)
なおSkylumのLuminarも、同じ2021年11月29日までブラックフライデーのようです。
KENKOからCokinの「フルGND」が販売開始される
……簡易的に可変NDの代用にもならないか??
KENKOが「NUANCES EXTREME フルGND8」の発売を発表しました。
https://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/filter/cokin/filter_variation/gnd/fgnd8.html
商品情報を見ただけであり実物検証のうえではないですが、緩やかなグラデーションですので、例えばですが森の中で上のほうが少し明るいなど、決定的な境目のない景観のなかでの輝度調整などに活用できるのではないかと期待します。
疑似的には、二枚のGNDをやや位置をずらして重ねることでトランジション領域を普通より伸ばすことが可能かもしれませんが、本当に自然なトランジションになるかは分かりませんし、長くなると同時に(重ね掛けによって)濃くもなるわけですから、薄く長い自然なトランジションのためには、一枚のGNDで済むに越したことはありません。
また、写真はともかく特に動画では、GNDの境界が不自然に映り込むかたちで撮影してしまうと後で大変ですので、自然な遷移で輝度調整できるフィルターは適しているのではないかと思います。
また、これも未検証ですが、この商品は疑似的に可変NDの代わりになってくれたりしないかということが気になります(この商品のLサイズの利用を想定)。つまり濃いほうを使えば約三段、中央あたりでは約二段、薄いほうでは約一段というように、一枚で複数の減光具合が再現できないかというものです。
ワイド横長の動画では、縦幅は写真より短く、グラデーション域が短いので撮影範囲の上のほうと下のほうで極端な差は出ないのではと思いますし、屋外景観は上のほうが下のほうよりもやや明るいことが多いと思います(もし逆であれば天地逆に使えばよい)。少なくともこの方法であれば「Xむら」は出ないです。
実際のグラデーションのかかり方は、レンズの物理的な口径(直径)にもよりますし、ズーム時の画角や、横撮影・縦撮影によっても異なり、GNDのすべての領域が使えるわけではないです。フィルター径の小さいレンズでは、グラデーションの差が出にくい方向にはたらきます。その意味もあって、色々な検証が必要でしょうが、文字通りの「ハーフ」までで残りが透明なGNDよりは、ここで記した用途に使える可能性があるのではと思います。
また、NiSiのSWITCHのように異なる角度でGNDの2枚掛けを出来る場合は、2方向独立でのGNDのうちのどちらか1枚としても活用できるのではないかと思います。
この点は、H & Yの「バランサーGND」と似た感じがします。(この「バランサーGND」に関しても、単独での使用以外に、異なる角度でGNDの2枚掛けのうちの1枚として活用できるのではないかと思っています。こちらは100%端までの塗布がされていなくて透明の領域もあります。)
(追記……「バランサーGND」の簡単な実地テストの様子はこちら。)
上記のように、森や渓流において上のほうが少し明るいなどの状況で、緩やかなGNDを掛けたいというニーズは感じていたので((「バランサーGND」については清家道子氏の動画も参照))、こうした製品が増えてきたことは有難い流れと思っています。
異なる角度でGNDの2枚掛けについては、Brendan van Son氏のSWTCHのレビューが分かりやすいです。
NiSiから100mmホルダーV7が発表された
……期待すること
NiSiから新しいフォルダーホルダーV7が発表されました。
はめ込み式のCPLがTRUE COLOR CPLになり、その装着方法もスピーディーになったことなどがアップデートです。
V6とLANDSCAPE CPLのセットでは、逆光のもとで青いフレアが発生するのが課題でした。
従って、V7の発表文では特に触れられていませんが、青いフレアの問題が改善されていること、もしくは将来のバージョンであっても改善されるようになること、を特に期待します。
NiSiは、複数の角形フィルターの角度を互いに違えて設置できるSWITCHというホルダーも別途発売しており、朝日や夕日などGNDの重ね掛けをするような局面では逆光も多いわけですので、フレアの問題の存在は勿体ないです。
そのほかでは、CPLは今回、着脱が簡単になったわけですが、もし他のリング状のパーツが、スクリュー式であれば、着脱しにくい、下手をすると噛み込んでしまって外せなくなる、もしくは外せたとしても現場での着脱に手間取る、という問題は残るのではないかと思います。
V7の発表文に記されていること以外では、
・はめ込みCPLが青いフレアを発生させなくなること
・CPLとNDを1枚で兼ねるはめ込み円形フィルターも提供されること
・V7のメインアダプターとTRUE COLOR CPL(そして追加的に上記の、ND機能も持つCPLも開発のうえで)が今後、個別にばら売り販売されるようになること(もちろん、TRUE COLOR CPLはV7のメインアダプターでの着脱専用の形状になっているでしょうからV7のメインアダプターとのセットでの利用にはなると思いますが。)
・スクリュー(ねじ切り)式のパーツは噛み込んで外しにくいことがあるのでその改善。
を今後、期待します。手元にあるのはV6ですので、改めて、V7現物で検証したのではない「期待」であることをお断りします。
HaidaからM10ホルダー・フィルターの新版が発表された
2011年11月5日の日付でHaidaのWEBに、M10ホルダー・フィルターの新版(M10 II)が掲載されています。
https://haidaphoto.com/en/story001-1459.html
複数の改善が施されているとともに、M10の先代と二代との間で相互に互換性もあるようです。
ホルダーの取付も片手で行ないやすくなったり、意図に反してホルダーが回転してしまわないようロックねじが追加されたりしています。
国内販売開始が楽しみです。
花形フードではCPLが回しにくいとき
……ワイドフードに換えて回しやすくする
ここではM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROを例として記します。
純正の花形フードをつけた状態ではCPLフィルターを回転させることに手間取ります。
フードの中に指をさしいれた状態で回転させねばならず、面倒であるだけでなく、指先がフィルターに触れて指紋がつくなどの原因にもなります。
対策として、ステップアップリングを介在させたうえで、極力大きいサイズのワイド型フードをつければ、花形フードでなくてもケラレを発生させずに済みます。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO(フィルター径72mm)の場合、レンズ先端にまずCPLフィルター(72mm)をつけます。
次に72mmから82mmへのステップアップリングをつけます。
そのうえで、HAKUBAのワイドレンズフード82mmをつけます。
これで、CPLフィルターをつけてもギリギリですがケラレを発生させず、ワイドレンズフードを回転させることで、レンズ先端に指を近づけずにCPLを回転させることができます。
ただしそのままではワイドレンズフードの内面反射によるフレアが出ますので、ここではつや消しブラックの塗料を塗りました。
レンズ先端にフィルター2枚(CPLとNDなど)の場合は、そのぶんワイドレンズフードが前に押し出されますので広角端(12mm)でケラレが発生します。
ケラレ防止のためには72mm⇒86mmにステップアップしたうえで86mmのワイドフードをつければいいのかもしれないのですが、この点はまだ検証できていません。
NiSiのアダプターリング(72mm⇒82mm)です。
ここではタミヤのエナメル塗料XF-1(フラットブラック つや消し)を塗りました。
OMDSの新世代カメラに期待すること
……小型センサーで画質の大幅な向上
特に、下記動画の9分以降で村田氏が言っておられる、「画質の大幅な向上」に期待します。
LiveNDのシミュレーション表示を一時的にだけ止める
……絞りプレビューで一時的に解除できる
オリンパス機のLiveNDのシミュレーション表示(LVシミュレーション)は便利ですが、そのあいだにCPLフィルターを回転させると、どのCPLの角度が最適なのか確認しにくいです。(効果が時間差で遅れて表示されるため)
もちろん設定メニューから、LVシミュレーションのONとOFFを切り替えることはできますが、現場での迅速性に欠けます。一時的にPモードやAモードに切り替えたり、カスタムボタンでLiveNDのオンオフを切り替えたりするのも面倒です。
対策として、任意のボタンに絞りプレビューを割り当てておくと、絞りプレビューを押しているあいだだけ一時的に、LVシミュレーションの表示を止めることができます。
【絞りプレビューを押す⇒CPLを適切な角度に設定する⇒絞りプレビューを離す】
リアルタイムでのCPLフィルターの効き具合の確認を一時的にしながら回転させるのに便利です。
便利なアルカスイス互換L字クランプ
……Lプレートを活用してHDMIモニターを安定させる
カメラの中央上部にあるホットシューにHDMIモニターをつけると、テコの原理でホットシューを歪めてしまわないか心配になります。(シューアダプターをつけるとはいえ、バッテリー込みだと軽くはないので)
ホットシューではなく、Lプレートの縦の部分に下記のL字クランプをつければ、HDMIモニターを安定して設置できます。
(Lプレートの縦の部分はもともと縦位置撮影のためですが、HDMIモニターを使うような局面はそもそも横位置での動画撮影が多いという想定です)
Haogeのアルカスイス互換L字クランプを、カメラのLプレートの縦部分につけます。
するとアルカスイス互換の水平の部分ができるので、そのうえにHDMIモニターをアルカスイス互換クイックシューで付けます。
カメラのシューは強度に不安があり、揺れたりもするので、こちらのほうが安定してHDMIモニターを設置することができます。
便利アイテムの紹介でした。
LILLIPUTのT5は安価に導入できるHDMIモニターでありHDMI2.0にも対応しています。輝度は400cd /m²ですがサンシェードも付属しています。
二本指の画面ワイプにより拡大縮小が容易ですので、「画面の一部分である草木の葉に対するCPLの効き具合の大小を、大きく拡大して確認したあと元に戻す」などにも適しています。
注意点があるとすればT5の1/4ネジの取付部の周囲が段差の多い形状になっているので安定性が不充分になりえます。ここで紹介したアルカスイス互換プレート活用の利用形態においては、アルカスイス互換プレートとT5との間に硬いウレタンを噛ませて安定させています。
ベルボンのアルカスイス互換プレートです。そのままでは「T5」をつけても安定しませんので、「T5」自体の梱包に使用されていた黒いウレタン材を削り、「T5」との間に噛ませて使用しています。
SmallRigのハイスピードHDMIケーブルです。ここではマイクロ端子(E-M1XのHDMIはマイクロ端子)のものにリンクしておきます。